こんにちは!
今日も絶好調の!
ボックルヘアのTOMOです。
2024年 4月にサハラ砂漠で開催される世界一過酷と言われるサハラマラソンを走ってきました。
今回はサハラマラソン最大の山場
3日目 85kmのオーバーナイトステージの様子を紹介します。
前回の話はこちらから⬇️
サハラマラソンについて詳しく知りたい人は、こちら↓
ちなみに、これまで僕が出走した海外レースはこちら⬇️
今回のブログでは
- サハラマラソン3日目の様子
- 夜のサハラ砂漠
などについて紹介します。
いつかサハラマラソンを走ってみたい!
とんでもない挑戦をしてみたい!
自分の限界を知りたい!
そんな人に読んでほしい内容になっています。
本題の前にちょっと自己紹介
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【サハラマラソンDAY3】2024/4/16
サハラマラソン3日目を紹介する前に、前回までのあらすじをかんたんに紹介します。
前回までのあらすじ
第1ステージ 2024/4/14
レース初日
スタート時間は、午前7:30
距離は31.1km 制限時間は10時間
当初、ペース1km/10分、5時間ほどでのゴールを目標を設定していたが、
結果は、
タイム:5時間48分44秒
平均ペース:1km/11分10秒
順位:649位(880人中)
目標ペースが守れず撃沈…。
荷物が重すぎて肩と首を負傷。
バンテリンとロキソニンゲルで回復をはかる。
第2ステージ 2024/4/15
レース2日目は、午前7:30にスタート
距離は40.8km 制限時間は13時間
前日の反省も含め2日目のペース目標は昨日の目標より2分落としの1km/12分45秒
1kmを12分、平均1時間で5km進む、早歩きくらいのペースに落としてスタートしたものの
結果は…、
タイム:8時間28分
平均ペース:1km/12分45秒
順位:605位(880人中)
今回もレースペースを守れず…、途中あまりの不甲斐なさに半泣きになりながら進んでいましたw
この日も肩痛と熱中症により撃沈
世界一過酷と称される理由をしっかり体感させられた2日目でした。
これまでのレース結果
ステージ1 | ステージ2 | |
距離 | 31.1km | 40.8km |
ペース | 11分10秒 | 12分45秒 (1分35秒⬇️) |
時間 | 5h48 | 8h28 |
順位 | 649位 | 620位(29⬆️) |
総合順位 | 649位 | 605位(44⬆️) |
ペースは落ちているが、不思議と順位は上がっているし、
ステージ順位より総合順位が早いのはなぜ?
リタイアやペナルティを受けた選手がいたためだろうか?
なぜだろう…?
2日目はさらに気温もあがり、
この日もサハラ砂漠の過酷さを思いしらされた1日となった。
と、ここまでが前回までの話。
詳しい内容はこちら⬇️
<ステージ3 2024/4/16>
そして迎えた、レース3日目の朝。
3:30 起床
野宿生活にも慣れ、夜中何度か目は覚めますが、
いびきがうるさいテントメイトもいないので、毎日比較的よく寝れています。
レース3日目は6時スタートなので、3時半に起床し、準備を整えていきます。
朝の準備で最も苦戦するのが、コンタクトの装着。
通常、僕は2ウィークの使い捨てコンタクトを使っているのですが、
サハラ砂漠では、砂嵐でコンタクトが飛んでいっても大丈夫なように、1DAYコンタクトを持ってきました。
これがコンタクトの装着を、より難しいものにしてしまった。
1DAYのコンタクトは2ウィークのコンタクトより、厚みが薄くペラペラ。
なので、普通の環境でつける場合でも、1DAY装着の方が難しい。
それに加え、砂漠という環境がコンタクトの装着を、さらに難しいものにしてくれた。
砂漠でのコンタクト装着の時間帯は、
運のいいことに、風は微風か無風が多かったので、いっけん装着しやすいと思いきや、
風がなくても、簡単ではなかった。
砂漠という環境は常に空気中に砂が舞い上がっている。
なので、どんなに手をキレイに拭いて、新品のコンタクトを取り出したとしても、
細かい砂の粒子が、秒でコンタクトに乗っている。
どんなに頑張ったとしても、いつのまにかコンタクトには肉眼でもわかるほど、砂がファッサと乗っているのである。
仕方ないので、砂付きのコンタクトを装着するも
予想通り、目は激痛!!
30分ほどは、涙と痛みが止まらない。
しばらくは、涙と目薬と水分をたっぷり含ませたティッシュでじわじわ目の中の砂を取り除く作業が必要です。
この作業と痛みが耐えられなかった僕は、1DAYコンタクトを2DAY使って
なるべく装着の回数を減らしていました。
結果的に、新しいコンタクトを目に入れるより、入れっぱなしの方が調子が良かった。
話は大分ずれてしまいましたが、
3日目の今日は、丸1日以上走ることが予想されるので、新しいコンタクトで挑みます。
コンタクト以外は全て順調にいつも通り準備をすませ、スタートゲートに向かいます。
6:00 第3 ステージ スタート
スタートゲートでは、日々のレースにより、みんな徐々に元気は無くなりつつありますが、
いつも通りの曲に、いつも通りの盛り上がり、そしていつもどうりのカウントダウン。
連日のレースの疲れが残ってないか?と聞かれれば、
もちろん身体は疲れているが、スタッフたちが懸命に盛り上げて送り出してくれるので、
自然と顔には笑顔がでます。
うすら笑いの、つくり笑顔ですが、これは懸命に盛り上げてくれている彼らへの、精一杯の感謝の気持ちです。
まだ夜が開けきれていない中、今日もじわじわスタートしていきます。
ちなみに、この時間にスタートしているのは、50位以下の普通ランナー
50位以上のエリートランナーは90分後の7時半がスタート時間です。
日本人からは2名のエリートランナーが7時半にスタートします。
第3ステージ 詳細
今回はサハラマラソンの山場、オーバーナイトステージ
ひとことで言うなら、「とんでもなく距離が長い!」
※B2がスタートの時計回りです。
距離 | 85.3km |
累積標高 | +1154m |
関門時間 | トータル:35時間(17日17時まで) CP1(12.5km):4H10(10:10) CP2(24.5km):8H10(14:10) CP3(35.2km):11H30(17:30) CP4(43.0km):14H10(20:10) CP5(51.0km):19H50(01:50) CP6(63.0km):26H(8:00) CP7(74.5km):31H(13:20) |
<ステージ3の目標>
第3ステージは、このレース最長となる85.3km。
昨日の目標1km/12分が達成できなく、メンタルも大いにやられてしまったので
今回は1km/15分と、かなり遅くしてみた。
1時間に4kmのペースです。
つまり、全歩き!
目標完走タイムが21時間。
とはいえ、休みなしではきっと歩き続けられないので、24時間でゴールできれば良しとします⭕️
自分の実力のなさにガッカリする毎日なので、
今日の目標は、「全歩きでもいいので完走すること」
欲を言うなら、「なるべく休憩は取らず進み続けること」が、できたら最高ってことでスタートしていきます。
隣をいくのは、同じテントの田中くん
田中くんも今日は全歩きで行くそうです。
スタートから…、遠くに見えるあの山まで、永遠に真っ直ぐ…。
一体、あの山の麓まで何キロあるの?w
永遠の真っ直ぐを進んだ先は山かと思ったが、
砂丘だった。
砂で足は取られるが、朝日と砂丘がなんとも幻想的
この時間帯はまだ涼しく、砂丘を楽しむ余裕があります。
砂丘をじわじわ登っていく。
振り返ると
こんな感じ。
画像では見えませんが、遠くに小さくスタートゲートがまで見えています。
これから長い旅の始まりです。
朝日を見ながらせっせと自撮りしていると、
これまた同じテントの小池くん
チェックポイントでは必ずと言っていいほど、カレーメシを食べてる小池くん。
小池くんも僕と同じで、登山からマラソンにきたタイプなので山岳ゾーンは強いが
平地ゾーンは普通ですw
あっちも、こっちも景色がキレイすぎて、写真や動画が忙しくなかなか前に進めません。
とはいえ、こんなに元気に動画を撮っているのも、きっと今だけなので
今を十分楽しんで、ぼちぼち進んでいきます。
幻想的な砂丘ゾーンが終わると、山岳ゾーン
岩がゴロゴロとした急な傾斜の登山道を登っていきます。
登山が得意な、小池くんや僕は山岳ゾーンで前のランナーをじゃんじゃん抜きながら
ぐんぐん登っていきます。
あっと言う間に、山頂っぽいところまで登ってきました。
山の反対側を覗き込むと
ナイスビュー
とんでもなく広大な大地が広がっていて、画像では見えにくいが
黒い点々がアリのようにじわじわ進んでいるのが見える…。
あれが僕の20分後くらいの未来か…。
山を降りると地平線の彼方まで、真っ直ぐ進む未来をチラッと見てしまったことを軽く後悔w
一瞬にして、最高の景色は
これから迎える、恐ろしい現実を予知してしまう景色となった…。
山の下りは急らしく
とんでもなく行列ができてる💦
大量の汗をかいて登ってきたので、若干の汗冷え。
昼間の暑さを思うと、「汗冷えとか贅沢やな」とも思う。
ここはあえて、しっかり冷えておこう。
なかなか進まない、行列。
トレランの大会では、このくらいの傾斜だと渋滞にならないが、
サハラマラソンはロードから来たランナーが多いので、
このくらいの傾斜でも、渋滞がおきます。
このくらいって言っても、まあまあすごい傾斜でしょw
いっけんきつめの傾斜だけど、足元は砂と砂に埋もれた岩なので滑りにくい。
どっちかと言うと、下りやすい地面
てか、ロープなんか持たなくても、見えてるところ全てが普通に下れるんだけど、
スタッフが誘導するので、大人しく行列に並ぶも、
早く行きたくて、うずうず💦
そうこうしてる間に、どんどん時間は経過していきます。
後ろ振り返ると、めっちゃ行列が長くなってる
みんなで同じロープ持つ方が、逆に危ないだろ💦
と思った僕は、
慎重なピンクの人の左側をズバーっと下っていきます。
傾斜45度くらいあるんじゃねーの?って坂道を、かかと重心でじゃんじゃん下っていきます。
下れば下るほどに傾斜がきつくなるので、
ビビリの僕は減速しながら下っていきます。
途中に、カメラマン
とんでもないところで待っていてくれる。
カメラマンに気を取られて転ばないよう、
ずばーっと下っていきます。
日本で言うなら、富士山の大砂走り
砂が細かいので、より足は埋まりますが気持ちよく下ります。
スピードを出しすぎると、前もも筋がやられそうなので
調子に乗らないよう下る。
楽しいw
後ろから、すごい勢いで
調子にのってるヤカラが駆け降りていくw
みんな全力で砂漠を楽しんでいますw
そしてあっと言う間に平原へ
振り返ると
一瞬で下ってきた、砂の山々が壁のようだ
あとは、皆さんもさっきチラ見した、永遠の平原
ただただ真っ直ぐ…。
スタートから約2時間半
後ろからすごい速さのランナーが走ってきます。
そのランナーとは、そう!
僕らより1時間半後にスタートしたエリートランナー
1位の選手は撮りそびれましたが、⬆️2位の選手です。
僕が2時間半かけて進んできた距離を1時間で走ってきた計算になります。
僕の2.5倍速💦
素直にすごい💦
なんにない永遠の平原が
後方からゾぞくぞくとやってくるエリートランナーのおかげで、だいぶ気がまぎれました。
あっと言う間にエリートランナーも行ってしまい、
ただの永遠の平原が残された。
正面にある太陽の眩しこと
眩しさにプラスして、まあまあの強さの向かい風
顔に砂がばちばち当たるため、暑いが顔面を保護します。
気温も35度を超えた頃
9:08 CP1 12.5km地点
ようやくCP1に到着
スタートから3時間8分。
今のところ、1時間に4kmペースがギリ守られています。
CP1ではほぼ休憩はせず、できるだけ涼しいうちに先を急ぎます。
補給は歩きながら
セブンのレーズンサンド
これ1つで189kcalと高カロリー
このレーズンサンドのすごいところは、
高カロリーで軽量はもちろん
連日40度越えの暑さでも、中のクリームが溶け出していない。
チョコレートみたく、溶けたり、分離したりするかも?と不安がありましたが
そんなことはいっさい無く。
通常の形状を保ってくれているのでとても食べやすい。
提供していただいた、セブンイレブン日田十二町店さんには感謝しかありません🙏
しっかり補給しながら、黙々と進んでいくと
ようやく平原は終わり、再び山岳ゾーン
気温が高くなってからの 登りは尋常じゃないくらいキツい
とはいえ、キツいのはみんな同じ。
とにかく足を止めないよう、前へ上へ足を出していく
傾斜をようやく登りきると
次は山の尾根沿いを進んでいく
前にいる「111」は隣のテントのコウスケくん
彼は、昨日チェックポイントで💩してたら、強風で周りを囲っていた簡易テントが飛ばされ
便座と、💩中のコウスケくんだけが、砂漠の中にポツンと取り残された…。という事件があったらしい。
コウスケくんのハプニングにいち早く気づいて
テントを取りに行ってくれた、おばちゃんスタッフも、
テントをキャッチしたはいいが…w
コウスケくんのもとに届けようにも、持っているテントが強風に煽られ、コウスケくんには近づけず…。
コウスケくんの「はずかし〜ぃ。ヘェルプ!」だけが砂漠にこだましていたのであった。
といったコントのような事態が繰り広げられ、だいぶ恥ずかしく おいしい思いをしたらしいw
そんな面白、動画編集者コウスケくんと寿司ボーイと3人で
しばらく一緒に尾根を進む。
日本では絶対に考えられないが、尾根のアップダウンには砂丘もあり
この尾根砂丘のアップダウンが、も〜数えきれないほどいっぱいあった。
途中、尾根からCP2が左手に見え、そこからずばーっと下ればあっと言う間にCP2に辿り着けそうだったが。
コースは眼下に見えるCP2を通り越し、尾根をそのまま進み大きく迂回するのであった。
次の尾根を登りきれば、そろそろCP2へ下れる?
そんな淡い期待を打ち砕かれること8回。
とんでも無い傾斜から、山を下り、平原へ
平原を進むこと40分
12:24 CP2 24.5km地点
ようやくCP2に到着。
尾根の上から見えていた、チェックポイント
CP1から3時間15分
山岳地点でアップダウンもあったけれど、1km15分のペースを早くもオーバー
自分でゆるめに設定したペースも守れないとは…。
自分の弱さが情けなくて仕方ありません。
ペースも落ちていたので、CP2でも給水のみですぐにスタートします。
次の区間はこれまでよりアップダウンは少ないので、
遅れた分を取り戻そうと、できるだけスピードを上げて頑張ります。
頑張りたいのですが…。
この暑さ。
スピードを上げるどころか、どんどん落ちていきます。
暑くて、キツくて、苦しくて、重くて…。
次々と弱音が口からこぼれる。
そして、ついには足も止まりそうになる。
止まりそうなるたびに自分自身に問いかけます、
「暑くて、今にも倒れそうだが、本当に次の一歩は出ないのかと?」
その問いかけに、
「一歩なら出る」
が、僕の答え。
と言うことは、止まりそうな足の原因は体力では無く、自分のメンタルの弱さ。
日本ではたくさんの人に応援や支援していただき、送り出してもらったのに
その気持ちに、比例していない自分のメンタルの弱さに涙が溢れます。
暑く、苦しく、汗も一滴も流れない、灼熱の砂漠。
脱水でカラカラだと思っていた、カラダからでる涙。
「まだ涙と鼻水がでる、僕の体にはまだ水分がある」
「熱中症でフラフラってのは、弱い自分のただの言い訳」
今にも止まりそうな足をなんとか前に出し、フラフでも進んでいく。
追い抜かれるランナーには何度も「Are you OK?」なんて聞かれながら
自分の弱さと目の前に立ちはだかる砂丘に絶望を感じながらなんとか前に進んでいきます。
暑さがピークに達した頃
15:09 CP3 35.2km地点
なんとかCP3に到着です。
CP2までよりアップダウンが少なかったにも関わらず、ペースを上げられず…。
自分に嫌気がさしてきた…。
とはいえ、35kmを越したのであと50km。
今が一番暑いからと、みんなここで休憩しています。
僕もここで休憩したかったですが、残念ながらテントはいっぱい。
日陰を確保する事ができなかったので、次のCP4持ち越して出発します。
フラフラだけど出発してきました。
あまりのキツさと自分の弱さに、戦意喪失しかけているので
1km15分ペースはいったん忘れて、
目標を完走に切り替え、
1km20分でも30分でもいいのでとにかく前に進むことだけ考えることにしました。
暑さはピーク、気温は43?4?度。
暑さもキツさも、もーどうで良くなってきた。
話はそれますが、今回使っている時計。
ガーミンのエンデューロ2ですが、めっちゃサハラマラソン向きです。
めっちゃ向いてる理由が2つあります。
1・ソーラーバッテリーによる長寿命
エンデューロ2には、ただでさえ長寿命のバッテリーが搭載されいますが、
ソーラーバッテリーも搭載なので、砂漠を走ってると日差しが強過ぎて充電しながら消費してる感じで
充電がほぼ減らない。
実際、サハラマラソンの全ステージ、一度も充電することなくレースを乗り切りました。
2・大会が発表してる距離とぴったし
大会側が発表している距離と、実際走ってる距離と数km誤差が出てしまうのが大会あるあるですが
大会スポンサーにガーミンが入っているため、大会の表示してる距離と時計の距離が1kmの誤差なくピッタリで驚いた。
ロングレースになればなるほど、この誤差はかなりメンタルにくるので
ピッタリは本当に嬉しい。
話はそれましたが、
平原をただただまっすぐ7.8km進んできました。
17:37 CP4 43km地点
CP4に到着
倒れ込むように日陰へ
ここでしばらく休憩します。
地面には石がゴロゴロして多少尻が痛いが、どうでもいい。
とにかく、重いザックをおろし しばらく放心状態
レースはこれから夜を迎えるので、このタイミングで晩ごはんをたべることに
とはいえ、食欲は全くない。
食欲がないと言うか、食べる気力がない。
食欲の前に、食べると言う作業が面倒くさいのだ。
しかし、食べないとこの先進んで行けないので
水で戻したけど、戻しきれなかったヒタヒタ パリパリのチキンラーメンを無理やり口に含みます。
1つもうまくねぇ…。
疲れのあまり、味を感じられない。(※ごめんなさい日清さん普段はとても美味しくいただいてます)
さっき飲み込んだはずのチキンラーメンが出てきそうになるので、少しずつ確実に飲み込んでいきます。
ドライフルーツミックスとミックスナッツも、少しづつ無気力な体に入れていく
とにかく噛んで飲み込む。体と脳を休ませるため、
目を閉じ、ただただ噛んで水で流し込む。
糖分と塩分油分を補給し
30分ほど休憩し、再び出発します。
18時をすぎ陽もだいぶ傾いてきました。
日差しはまだまだ眩しいですが、気温はちょっと落ち着いたように思えます。
暑さが和らいできたので、暗くなるまでペースを上げていきます。
CP4でとったエネルギーが体に回ってきて、朦朧としていた意識もシャキッとなって
徐々に調子を取り戻してきました。
走れるところはゆっくりでも走って、遅れを少しでも取り戻していきます。
太陽が完全に沈み、ライトを装着して進んでいいきます。
太陽が沈んだことで気温も徐々に下がっていきますが、まだ暑い。
昼間は40度以上だったため、かいた汗も一瞬でからっからに乾燥していましたが、
ここにきて、汗が流れる温度。
気温は30度前後
気持ち悪いくらいに汗ビショです。
ようやく過ごしやすくなった砂漠を走ったり歩いたりしながら進むも、
前後のランナーがだいぶ少なくなってきた。
暗くなるにつれて、周りの明るさも微妙でルートも分かりずらいし、
不思議と、目印もとたんに少なくなったような気がします。
さらに、今回初めて使う超軽量ライトが砂漠と相性の悪いこと…。
今回使ったライトはペツルのイコ コア 500ルーメン E104BA00
79gと超軽量でいいと思ったんだけど…。
マジで砂漠と相性が悪い。
<イコ コア 500ルーメン E104BA00が砂漠でダメだったこと>
1・白い光しかない
オレンジや赤のライトがなく、白い色でしか発光しないので、
砂漠の砂が白い場所では、舞い上がってる砂に白い光が反射してしまい
視界1m未満になることも多々。
マジで前が見えなさ過ぎて、夜中ライトにブチギレていたw
2・暗い
500ルーメンが2.5時間しか持たないので、100ルーメン(9時間持つ)で使っていたが、体感非常に暗く感じた。
軽さも大事だが、明るさが足りないとマジでストレス。
目も頭も疲れる。
多少重さがあっても、いつも使ってる明るいライトを持ってくればよかったと思ったと後悔。
暗さのあまり途中、ルートが分からず何度も立ち止まりながら進みます。
20:28 CP5 51km地点
スタートから14時間半。
相変わらず1時間に4kmペースから遅れをとっていますが、これでも若干ペースが上がったところです。
20分ほど休憩してCP5を出ます。
CP5をスタートしてしばらくは調子良く前に進んでいましたが、
21時を過ぎたくらいから、ものすごい眠気に襲われます。
昼間あれだけ炎天下の中を歩いてれば、そり眠くもなります。
こんな時のためにと、準備していたカフェイン剤ですが
僕のミスでザックの奥の方に仕舞い込んでいて簡単に取り出せない。
「いや、そんなもん。今すぐザックを下ろして探したらいいやん!」と皆さん思うでしょう。
そう!僕も今はそう思うんですが、
その時はザックの中からカフェインを探すのはおろか、
ザックを下ろす作業さえ面倒。
なんなら、立ち止まる事さえ面倒くさいんです。
疲れたし、眠いし…。そんな負のオーラが僕を無気力にさせる。
おかげで、再びペースもガタ落ち。
歩くのも蛇行し、ちょっとした傾斜が全く登れない。
足が前に進んでいかない。
そんな中、選手たちを見守るために定期的に側を通るジープ。
このジープがこれまた厄介。
選手の安全を見守ってくれているので、厄介とか言ったら、ダメだとわかっているんですが、
マジで厄介なんです。
なぜ厄介かと言うと、
ジープが通るたび、地面の砂を巻き上げるんです。
それが10分以上、空中に舞い続ける。
空中に舞う砂に、僕のしょぼいライトが反射して、マジで前が見えない。
冗談なしに、視界50cm?くらいになる。
砂幕より進行方向も見失う。
眠いし、ライトは暗いし、砂が落ち着いたタイミングで再びジープが通る。
だんだん腹が立ってきて、発狂する僕!
通過していくジープに、
「てめぇーいちいち、そば通ぉんじゃなーよ!」
「お前らとクソへぼライトのせいで、前が見えんのんじゃ!」
とジープやらヘッドライトやらに暴言の嵐w
見るもの全てに当たり散らすw
30分ほど怒りを原動力に、怒鳴り散らしながら進むも、
ついに進めなくなった僕は、とうとう立ち止まり現実逃避。
そういえば、サソリって昼間の暑い時間帯は砂の中にいて
涼しくなった夜に、砂から出てきて活動するって言ってたな
ってことを思い出す。
もしかして、サソリがいるんじゃね?
ってことで、
サハラマラソンを放棄し、サソリ探しを始める僕
そして、サソリっぽいのを発見!
肝心のしっぽが出てなくて、ザリガニにしか見えませんが、
こんな砂地にザリガニはいないと思うので、多分これはサソリ。
あたりをよーく見ると、あっちにも1匹、こっちにも1匹。
まるで子供がたんぽぽを見つけるかの如く、
こっちにもw
あっちにもwと、
はしゃぐ僕。
サハラマラソンと言う現実から逃れ、しばらくサソリ ハントに熱中。
さそりハントに飽きた僕は、
あろうことか、サソリ盛りだくさんの砂地で大の字になって寝る。
も〜疲れたし、眠いから寝る!
レースも、サソリに刺されるかもって恐怖も、ジープにひかれるんじゃね?って不安も
何もかもを放棄して、砂漠でひとり寝る。
「砂漠のど真ん中で寝るって、この上なく贅沢やね」
なんて呟きながら、星空を見上げる
空には満点の星⭐️
は、ほぼなく半分曇りで、半分ジープがたてていった砂ぼこり💢
とはいえ、砂に接した肌はひんやりしていて気持ちいい
15分ほど砂の上で横になり、しぶしぶ現実に戻り、のらりくらりと歩き出した。
引き続き、
疲れと眠気が見せているだろうCP6の蜃気楼と、ヘッドライトの暗さと周りをいくジープに
悪態と暴言を繰り返し、怒りを力に変え進んでいきます。
炎天下では「悔しい」と泣き、
暗闇では「前が見えん」と当たり散らし
サソリを探し始めたかと思うと、寝る!
極限にこそ、人の本性は現れる
これが僕の本性なんでしょうw
砂丘の登りに何度も立ち止まり、たくさんのランナーに抜かれ
蜃気楼的に見えていたCP6に何度も裏切られ、
何の感情も無くなった頃、ようやく本物のCP6にたどり着いた。
0:00 CP6 63km地点
時刻は、日付が変わり17日 午前0時
あまりの眠さに倒れ込む。
そのまま20分仮眠。
仮眠から目が覚めても、起き上がる気力がない。
それもそのはず、かれこれ数時間ほとんどカロリーを摂っていないのだ。
カロリーが入ってこず、長い運動をしてると体内のエネルギーが枯渇して、
「このままだと餓死してしまう」と脳が勘違いしてしまうのだ。
勘違いした脳は、すぐにでも運動をやめさせたいので、
ものすごい眠気を感じさせたり、吐き気や、下痢、頭痛などを起こして運動をストップさせようとしてくる。
そんな理屈は重々承知だが、レース開始からずっと甘い行動食が多かったため
口が甘いものを受け付け無くなっているのだ。
噛んで飲みこむ作業さえ面倒になっている。
そして唯一、口に入れれるのが梅味のラムネ
梅味のラムネをたくさん口に詰め込み、未だ起き上がれず呆然。
「いや、この間にカフェイン剤取り出せや!」と、今は思いますが、
そのちょっとした動きができなくなってるんですよw
結局、CP6の45分ほど滞在してしまい、午前1時前にようやく出発。
少し寝たので出発して早々はしっかり前に進めていたのですが、1時間も立たないうちにまた眠気。
ライトは見えにくいし、相変わらずのジープの砂埃…。
気分を変えるためにイヤホンで音楽を聴きながら進むことにします。
それでも気分は乗らず、暗闇で何度も足を止めながらトボトボ進んでいると後ろから声が、
声をかけてくれたのは、日本人ランナーの小林さん(※だったと思う。名前間違っていたらごめんなさい)
小林さんが眠いならと、カフェイン剤を2粒くれたのです!
通常1回2錠ですが、人によっては効果がありすぎるので、1錠のんで様子を見るようにと。
ちなみに、小林さんは2錠飲んで効き目があり過ぎて、ハイスピードで駆け抜け過ぎて足を負傷したらしい。
小林さんに言われた通り、まずは1錠だけ飲んで様子を見ます。
すると、徐々に眠気はなくなり不思議とだんだんと集中力が上がる。
先まで歩くのがやっとだったくせに、「あれ?これ走んじゃね?」って気分にさせてくれます。
試しにちょっと走ってみる。
あれ?けっこう走れるかも?
ゆっくりのペースで走れるところまで走ってみることに、
そしてイヤホンの音楽は、なぜか入れた覚えはないがウルフルズの「ガッツだぜ!」が流れ出す。
この「ガッツだぜ」のリズムが僕の走るテンポにドンピシャ!
カフェインとガッツだぜ!でみるみる調子を上げていきます。
これまで進むのがやっとだった、砂丘の登りを駆け上がり
いつのまにか追い越されていた田中くんを抜いて
カフェインをくれた小林さんまでの抜きさり
気分はスーパーマリオのスター状態。
そこから僕の快進撃は始まりました。
1時間で30人ほど抜き去り、ペースもどんどん上がっていく。
と言っても、たいして早いわけではないが、周りの選手が疲労困憊でスローペースってこともありw
気温は下がり、10度台。
走るにはちょうどよく、エンドレス「ガッツだぜ!」のリズムでぐんぐん進んでいきます。
抜き去った選手から「so crazy」なんて声も聞こえてきて、気分は最高。
クレイジーが褒め言葉に聞こえるw
今まで歩きっぱなしだったので、走り筋の元気なことw
走るための筋肉はこれまでほとんど使われていなかったので、ガンガン走れますw
「ようやく僕のサハラマラソンが始まった」という感じで、CP7が見えてきました。
3:32 CP7 74.5km地点
絶好調のスピードでCP7へ駆け込む。
元気すぎて変なテンションだったので、スタッフから何度も「Are you OK?」と聞かれることにw
CP7では1秒も休憩することなく、そのまま通過。
あと、11km。
できればこのままゴールしたい。
その一心で、休憩なしで進んでいきます。
とはいえ、走るにはエネルギーが必要なので、大事にとっておいた「レモンわらび餅」を体にいれて
暗闇を走りつできます。
相変わらず前方が見えにくいライトですが、集中力が上がると野生の感的なものが働き、自然と道が見えてくる
前方のランナーが道がわからず右往左往していても、一瞬の迷いもなく正しいルートを嗅ぎつけ
走り抜ける、まさにスター⭐️
とはいえ、カフェインの効力には期限がある。
約2時間で効果がなくなると小林さんがいってたので、集中力が切れてきた段階で2錠目を飲む。
このままゴールまで走りたい。
これまで2時間走り続けた疲れもあり、これ以上ペースを上げることができなかったが、
それでも、カフェインを飲む前のペースの倍のスピードはキープしつつ走り続けた。
ゴールまであと数kmとゴールの気配を感じたころ、抜きつ抜かれつを繰り返していたランナーがいた。
これまでのハイペースに疲れてしまい、歩いたり走ったりを繰り返しゴールを目指す
彼も、僕のペースに合わせ同じようについてくる
めっちゃ疲れた。もう走れないよ。
なんて簡単な英語、いくつか会話をしながら、あと数km先まで迫ったゴールへ向かう
暗闇の中に白く浮かび上がるゴールゲートがついに見えた、
あともう少し、自然と足も動き出す。
カモン!なんて言われながら、ジョグペースでゴールゲートへ走り出す。
ゴールゲートが見えてから、ゴールまでが長いのが砂漠マラソンあるある。
まだか!まだか!と力をふろ絞りながら走り続け、ラスト200m
さっきまで、「もう疲れたよ。」「もう走れないよ…。」とほざいていた彼が
僕を置き去り、猛ダッシュ💦
おいおい!最後に裏切るパターンは世界共通なんかーい!
「おめぇ!早ぇ〜じゃね〜か!」
「この裏切り者!」
と、叫びながら
5:27 第3ステージ ゴール
ゴール!!
最後の最後に裏切られはしたが、85kmのロングステージを
23時間半かけて無事にゴール
そして⬆️こいつが、最後めっちゃ本気出してきたヤツw
お互いの健闘を讃えますw
ステージ3 レース結果
第3ステージレース結果
距離 | ペース | 通過時間 | 順位 | |
CP1 | 12.5km | 3.950km/h | 3h08 | 630 |
CP2 | 24.5km | 3.69km/h | 6h24 | 628 |
CP3 | 35.2km | 4.02km/h | 9h09 | 594 |
CP4 | 43.0km | 3.12km/h | 11h37 | 615 |
CP5 | 51.0km | 2.85km/h | 14h28 | 603 |
CP6 | 63.0km | 3.52km/h | 18h00 | 588 |
CP7 | 74.5km | 3.14km/h | 21h32 | 586 |
finish | 85.3km | 5.69km/h | 23h27 |
タイム:23時間25分43秒
平均ペース:1km/16分15秒
順位:543位(880人中)
総合
合計距離 | 合計時間 | 総合順位 | |
ステージ1 | 31.1km | 5h48 | 648 |
ステージ2 | 71.9km | 14h14 | 620 |
ステージ3 | 157.2km | 37h40 | 559 |
レースの感想
3日目のロングレースは、サハラマラソンの山場とういだけあり、本当に色々あった。
序盤は目標の1km15分を全く守れず、半泣きで自分をせめてばかりいたが、
後半には、目に見えるもの全てに当たり散らしw
情調不安定もはなはだしい、本性丸裸のお恥ずかしいレース展開となったw
CP5あたりは1時間に3kmも進めていないとは…。
どうやったらそんな遅いペースで進めるのか自分でも疑問に思うw
体も心もだいぶやられていましたねw
CP6から小林さんのカフェインのおかげで、
持ち直しペースアップできたので、なんとか目標の24時間以内をクリアできた。
あのカフェインが無かったら、と思うと30時間くらいかかったかもw
色々あったが、深夜からゴールまできもちよく走れて、ようやくマラソンらしくなってきたなと思った。
お見苦しいですが、長時間砂漠を走っていたので
普段、足に豆が出来にくい僕も今回ばかりはw
さらに、
くるぶしの骨が普通より出ている僕は
両くるぶしが負傷。
シューズには、広範囲で血が酸化して茶色く固まっていました。
まだレースは半分しか終わっていません。
この足で最後まで走れるのでしょうか?
つづく…。
【まとめ】
今回はサハラマラソンの第3ステージ様子を紹介しました。
ロングステージは予想通りとても大変なレースとなりました。
昼間は暑くてスピードが上げられず、夜は夜で眠たい。
挙げ句の果てには、レースを放棄してサソリ探しを始める現実逃避っぷりに自分でも驚きが隠せません。
とはいえ、最後はマラソンレースらしくちゃんと走れたので、
結果的には目標タイム内に収まったので良かったのかな…w。
つづく…。
以上!
今回はサハラマラソンの2日目、ステージ3の様子を紹介したボックルヘアのTOMOでした。
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■OSJ KOUMI100の詳細 [人生初の100マイルレース]【長野県】
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登山歴は13年目 、トレラン歴は3年目です。
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