Ultra-Trail Mt.Fuji2023⑤[ 完結編]

SPONSOERD LINK




こんにちは!

今日も絶好調の!

ボックルヘアのTOMOです。

今回は、2023年4月21日から3日間にかけてに開催されたFIJIこと

「Ultra-Trail Mt.Fuji」を走ってきたレースレビューの続きです。

今回で5話目、長々お付き合いくださりありがとうございます。

 

 

前回のブログを見逃した人はコチラ⬇︎

 

 

 

今回のブログでは

  • FUJIの2日目の夜がどんな感じなのか?知りたい
  • 杓子山の渋滞の様子を知りたい

そんなひとに読んでほしい内容になっています。

 

本題の前にちょっと自己紹介

TOMO
<自己紹介>

大分県日田市でボックルヘア(美容室)をやっています。

登山歴は13年目。

平日は仕事&筋トレ・休日は山登りと決めています。

最近夢中で読んでる本は「夢と金」面白いし読みやすいです。

Twitter・YouTubeもやってるので、

フォローチャンネル登録もお願いします。

≫【ボックルヘア】Twitter・Instagram・YouTubeはこちら

 

 

【Ultra-Trail Mt.Fuji 2023】2023年4月21日〜23日

 

 

前回までのあらすじ

2023年4月21日(金)に静岡県と山梨県で行われた

富士山の周りをグルーっと一周する100マイルレース

通称 FUJIに参加してきました。

 

15:00 レーススタート

164kmもの長い旅が始まります。

18:23に第1エイドの、富士宮エイドに到着。

 翌日22日(土)

深夜 1:18 F2 麓エイド到着

暗闇と寒さと戦った1晩目。

寒さと渋滞で絶望を感じつつも、なんとか早朝に

4:12  F3 本栖湖エイドに到着。

明け方になり、気も緩んだのか?

猛烈な睡魔により、倒れながらなんとか走りつづけ、仮眠所のある

 

F4 精進湖エイド(73.1km)に7時45分に到着。

予定時間より45分早くエイドに到着することができた。

なんだかんだ、仮眠はたったの3分。

寝たというより、横になったって方が正しい表現💧

3分仮眠で、ドロップバックの待つ第5エイドを目指します。

 

12:54 F5富士急エイド

到着予定時間20分前に到着。

このエイドでは待ちに待ったドロップバックが受け取れる。

自分で準備した好きなものを腹一杯食べて、全着替えしてエイドを出発。

17:04 F6忍野エイド 

到着予定時間から20分遅れで到着。

遅れを取り戻すためエイド滞在時間を短縮し、

次のF7山中湖エイドを目指し出発します。

 

とここまでが、前回までの話。

前回までの内容を詳しく知りたい人は、前回のブログをご覧ください。

⬇︎⬇︎

 

ちなみに、目標時間はこんな感じ⬇︎

タイムスケジュール

 

エイド名 距離/総距離(km) 関門 目標到着/エイド滞在時間
粟倉 /14.5km 1h45/16:45/0
F1 富士宮 23.8/23.8km 20:20 1h28/18:13/ 10(分)
F2 麓 27.2/51.0km 4:50(22日) 8h13/2:36(22日)/ 20
F3 本栖湖 10.3/61.3km 8:50 2h4/5:00/ 20
F4 精進湖 11.8/73.1km 12:20 3h4/8:28/ 40
F5 富士急 23.3/96.4km 14:20 3h58/13:04/ 45
F6 忍野 16.0/112.4km 19:50 2h52/16:40/ 40
F7 山中湖 12.3/124.7km 22:50 1h31/19:40/ 40
F8 二十曲峠 13.5/138.2km 3:20(23日) 3h46/0:06(23日)/ 20
F9 富士吉田 11.8/150.0km 6:50 3h/3:25/ 30
finish 14.7/164.7km 11:30 3h2/6:50(39h50)/

現在のエイド
次のエイド

予定では、39時間50分での完走を予定しています。

 

これまで走ってきた距離は114kmをこえて、残すところあと50km。

距離的には2/3を終了し、後わずかに思えますが、

標高的には山中湖エイドから先が本当の難所と言われる、山岳地帯らしい。

とはいえ、

その難所の前にも、まだまだいくつもの山を越えなければいけない。

スタートから27時間。

27時間もたつと、ちょっとの登りでも全く走れなくなっくる。

足が終わっているのか、走ろうというメンタルが終わっているのか?

その両方なのか?

前をいく、香港ランナーのザックにぶら下ったトトロのぬいぐるみを

「ふわふわして可愛いな〜」なんて思いながら、歩きで前のトトロを追い続ける。

 

えぐい登りをなんとか登り切ると、

 

18:59 大平山

次のエイドまでの難所、大平山まで登ってきた。

 

大平山(おおひらやま)とは、

山梨県南都留郡山中湖村と忍野村に位置する標高1295mの山。

山中湖の北岸に連なる山並の一座で、

北東に位置する石割山から東海自然歩道を経て縦走されることが多い。

眼下には山中湖・眼前には富士山の絶景が広がる。

 

 

山頂からは、山中湖や富士山が見えるらしいが、雲がかかっていたのか?

いや⁈ 見えていたのか?

疲れで景色なんてどうでもいいと思っていたのか、富士山を探す気も起きなかった。

とはいえ、山頂からの夜景はキレイ。

「時間も押しているので、夜景どころではない」と先へ進もうとすると、

ヒュー…、ドーン!

まさかの花火。

ナイスタイミングの花火の写真を撮ることはできなかったが、

ヒューンのところが、⬆︎の画像です。

予想外の花火に、疲れがふわっとリセット。

いや、正しくは疲れた頭がリセット。

花火がネガティヴな感情を一掃してくれた。

大平山からは、階段地獄。

しかし、不思議と足は上がる。

花火ってすごい。w

がっつり下って、がっつり登る。

イモ山、大窪山、平尾山を縦走し、300mほど標高を落としていきます。

この時間帯になると、かなり冷えてきました。

寒さからか腹の調子も不安定。

今回ジェルは90分に1つくらいしか摂ってないので、ジェルは腹痛の原因ではない(おそらく多分)

腹痛の原因は

  • 長時間内臓が揺らされつづけたから
  • エネルギー不足(空腹)
  • 寒さから腹痛

この3つのどれか。

そしてこの腹のグルグル具合は、ズバリ!

ゲリの予感です。

 

 

20:00 F7山中湖エイド

腹痛が深刻になる前になんとか、エイドに到着。

予定時間から20分遅れ…、

は〜、巻き返せなかった。

 

このエイドでの滞在予定時間は40分です。

 

ここではお馴染みのエイド食に加え、豚汁が振る舞われます。

エネルギー不足からの腹痛の可能性もあったので

豚汁2杯と、おにぎり2つを胃に納める。

豚汁のスープがうまい💕

おにぎりがなかなかのどを通らないが、気合いで飲み込んでいきます。

 

すぐにエネルギーに変わってくれる、バナナやチョコも無理やりほおばり、

豚汁で流し込むw

味的には最低の組み合わせですが、

今は味より体にエネルギーを送り込むことを優先します。

 

これからの時間帯はもっと寒くなるので、ここで腹に貼るカイロをペタリ。

常備してた下痢止めを飲み、準備完了。

トイレに寄って、山中湖エイドを後にします。

 

8:30 F7山中湖エイド出発

ちなみに、

山中湖エイドにも仮眠所があり、

噂ではマッサージも受けれる的なことを聞いていましたが、

僕にはそんなに悠長に寝てる暇はない。

完走できることを信じ、前に進みます。

そして、ここからが難関の山岳地帯が始まります。

 

とんでもない傾斜の登山道を登っていく、角度がエグすぎて何度も立ち止まり、

上を見ては、遠くまで登っているヘッドライトの列がみえて、ため息が漏れる。

寒いし、きつい。

スタートから30時間経過。

さすがに眠い。

 

「寒い、きつい」は、どうにもならないが、眠いはカフェインで撃退!

 

昨晩は気温が高かったので、山のその辺で寝ながら歩いてもどうにかなったが、

2晩目の今日はかなり冷えるらしいので、山で寝ると低体温症になること間違いなし!

ということで、

今回も球磨川リバイバルトレイル同様に、錠剤のカフェインを2晩目に使います。

 

錠剤のカフェインは、 マイプロテインの ピュアカフェインタブレット

このカフェイン剤、安いし効き目も良いしオススメです。

 

カフェイン剤を飲み慣れていないので、僕は毎回1/2錠づつ飲んで様子を見ます。

なので、今回も1粒を2つに割って携帯してきました。

カフェインの効果が出るまでは、なんとか眠気を我慢して登り続けます。

 

21:19 鉄砲木ノ頭(明神山)

野焼きされたハゲ山を登り切ると山頂だった。

鉄砲木ノ頭とは、

神奈川県足柄上郡山北町と山梨県南都留郡山中湖村との境界にある山である。

丹沢山地の最西部に位置し標高は1,291m。別名、明神山とも呼ばれる

 

明神山を過ぎたあたりから、カフェイン剤が効果を発揮してきました。

眠気はいっきに無くなり、さらに集中力もあがり、ついでに足も上がり始めた。

こっから先が、すごかった。

これぞ覚醒!

カフェインで覚醒した僕は、下りの感覚が研ぎ澄まされ、

 

下り基調の縦走路ていうこともあり、30分で40人ほど抜いていった。

体感的には、鹿になってるじゃないの?って感じのスピード感で、

気持ち的には、黒ゼッケンのエリートランナー✨

 

落ち葉で覆われた地面でも、

根っこで滑りそうな足場でも、直感でどこに足を置くべきかがわかる。

多分あれは、アスリートがよく言う、「ゾーン」ってやつ

これまで走れなかった、ちょっとした登りもガンガン走れるし、

下りもじゃんじゃん前の選手を抜いていく。

「このままゴールまでいけるんじゃないの?」

「今レースが始まったの?」ってくらい、ハイスピードでトレイルを駆け抜けていった。

 

が、アスリートではない僕が、

当然このまま走り続けられるワケがない。

終わりは突然やってきた…。

 

覚醒から40分後、大棚ノ頭、日向峰のとんでもない、急登に足がピタリととまり、

ついでに睡魔もやってきた。

睡魔自体は、そんなに強いものではなかったが、

今まで走れていた状態から急に走れなくなることで、メンタルが急激にやられてしまった。

 

睡魔に耐えられずその辺に、のたれ寝てる選手たちの姿が羨ましく思える始末。

寝たいというより、「歩くことをやめたい」そんな心情になってくる。

さらにカフェインを追加、とも思ったが、

あまり短時間で摂りすぎるのも怖いなと思い、カフェインは必殺技ってことで今回は我慢。

 

気合いでじわじわ登っていくが、

登りはさらに急になり、徐々に前がつまり渋滞状態。

自分のペースで登ることができず、眠気も疲れも増し、

あまりの眠さに、ついには渋滞の列にもついていけなくなってきた。

 

時々渋滞の列から離脱し、3分ほどの休憩を挟み、

体育座りで1分だけ目を閉じ、脳に寝たと錯覚させて、なんとか登って行きます。

 

眠気でフラフラですが、痩せ尾根の滑落注意ゾーンには、

夜中にもかかわらずスタッフが手前で注意喚起してくれ、

危険ゾーンが苦手な僕は、目がシャキーン!

痩せ尾根をビビりながら渡っていきます。

痩せ尾根を通過しながら、「気持ちが入れば目も覚めるじゃーん!」ってことに気づく。

 

それに気づいてからは、さっきまでの泥のような眠気がウソのように、眠気0。

日付も変わった、23日午前0時頃には、

日向峰を過ぎたあたりから徐々に渋滞も解消され、

次のエイドの二十曲峠を目指し、標高にして400mほどをじゃんじゃん下っていった。

 

 

F8 二十曲峠 0:50 (138.2km)

ようやくたどり着いた8番目の二十曲峠エイド。

到着予定時間より44分も遅れての到着。

途中、覚醒により巻き返しをしたが、後半かなり時間を費やしてしまったようだ…。

ここでのエイド滞在予定時間は20分。

 

このエイドは他のエイドと比べると狭い。

狭いエイドの中には、たくさんの人が寝ていて、とってもカオス。

ちなみにここは仮眠所がないので、その辺にたくさん人が転がっている。(寝てる)

仮眠所がない上に、2晩目の深夜と言うこともあり、みんな眠気のピーク。

さらに、山の上ということもあり激寒。

かろうじて座れるスペースを確保し、エイドに並んでたバナナとパンを食べる。

僕的にはかなり予定時間がおしてるので、

ちゃちゃっと食べてちゃちゃっと出たいが、体がちゃちゃっと動かない。

何をするにも、動きが鈍くて気持ちだけが焦ってくる。

 

なんとか補給し、なんとか準備し、

トイレに並びエイドを出る頃には到着から26分を経過してしまっていた。

 

1:16 F8 二十曲峠 出発

予定時間から50分遅れでエイドを出た。

そしてここからが、

このレースで最も高いとされる標高1597.5mの杓子山が待ち受ける。

杓子山の山頂手前では岩場や難所が多く、

毎年レースではこの付近では大渋滞がおきる。

 

今回のレースでは、例年渋滞していな箇所でも渋滞が発生したり、

渋滞の範囲が広くなってる傾向にあるらしく、

杓子山の手前の渋滞は覚悟しといたほうがいいと聞いていた。

 

できるだけ早く杓子山の山頂まで詰めたかったので、

ここで、2回目のカフェインタイム!

と思いきや、

オーマイガ!

カフェインの袋をどっかに落としてるぅぅぅ〜

ここぞって時に使おうと、これまで我慢してきた、

とっておきのカフェインを僕は、どっかに落としてしまった。

僕のおっちょこちょい加減にはうんざりです。

 

でも、まあ無いものはしょうがないので、

これが自分だと、ダメさも弱さも受け入れ、眠気でフラフラなりながらも標高を少しづつ上げていきます。

かなりの人に抜かされながら、なんとか進んでいくと

徐々に前が詰まってきた。

 

時刻は午前3時頃。

渋滞の列にぶちあたり、渋滞で立ち止まると、寒さで眠気が覚めてきた。

 

ここにきてとんでもない渋滞に巻き込まれたことをじわじわ知っていく。

 

渋滞の列は、待てど暮らせど、ただの一歩もすすまいない。

毎年このレースに出てる人も、今年は特にひどい渋滞だと。

例年の渋滞はもっと先でおこっていたらしい。

それにしても全く進まない。

 

3分まって、10歩進む。

10分待って10m進む。

5分まって岩場を3m登る。

こんな感じであっという間に、45分経過。

 

45分かかって進んだのは、たった200mそこら…。

 

岩場では、冷たい風が容赦無く吹きつけ、みんな震え上がっている。

岩場ではバランスを崩し、滑落の恐れがあるので、ウエアを着込むこともできず、

ただただ皆震えながら前が進むのをひたすら待っていた。

 

渋滞から1時間ほど経過したころ

突如、後ろにいた

きみどり色のウエアをきたカエル柄のパンツを履いてる、いっけん坂本龍馬風のおじさんが、

上の岩場に向かって

「少しづつ先にいかせて!」

「関門時間が迫ってて後ろの人は関門やばいから!」と声を上げてくれた。

僕はそれまで全く気づかなかったが、

どうやら岩場で、もたもたしてるおばさんがいたらしく、その人が渋滞をさらにひどくさせていたらしい。

遅い選手は先を譲るのが暗黙のルール。(暗黙ではないかも、通常のルール)

そのおじさんの一声で、

おばさんが一区切り登るごとに数人づつ道をゆずってくれるようになり、

渋滞は一気に解消していった。

 

渋滞も地獄だったが、おばさんを抜いた後は、前はガラ空き。

おいおい、ウソだろ…。

おばさんを抜いた瞬間から、みんな猛ダッシュ。

 

おばさんから後ろの選手は、みんな関門時間がヤバいと、皆が尾根を猛ダッシュしていく。

おばさんがスタートラインとなり、みんながダッシュ、

あっという間に闇に消えていく。

 

僕も当然、おばさんダッシュ。

暗闇に加え、高い標高で息が上がる、冷え切った筋肉、

この3つの過酷条件が揃った上で、僕も懸命尾根を走る。

前の選手に追いつくまで、ダッシュ、ダッシュ、ダ〜ッシュ!

「おばさん〜、こうなる前にもっと早く、道をゆずってよ〜」と思いながら、

 

深夜の猛ダッシュは、死ぬほど肺と筋肉にこたえる。

息はガハガハと上がり、死ぬほど苦しいが、関門に間に合わないもの死ぬほど嫌!

 

今回は絶対に完走すると決めているので、

苦し過ぎてよだれが垂れようとも、かまうことなく気合いで前の選手についていきます。

ダッシュがジョグに変わるころ、近くで鐘の音が聞こえてきた

 

4:01 杓子山

杓子山(しゃくしやま)とは、

山梨県の富士吉田市、都留市、忍野村の境界に位置する山で標高は1597.6m。

道志山塊に属し、山梨百名山、都留市二十一秀峰の一つに選定されている。

名前の由来は、杓子山を林道から眺めると、大きなガレが目につく。「シャク=地崩れ」からきている。

山頂からの富士山の眺めの良い山の一つ。眼下には、忍野集落が広がり、箱庭的な景色が展開する。

 

杓子山は景色がいいと聞いていたが、暗いし時間も押してるし、人は多いし

景色など見てる余裕はない!

 

そもそも、次の富士吉田エイドの到着予定時間は3時25分だった。

そうこの時点で、次のエイド到着予定時間を35分もすぎているのだ。

 

富士吉田エイドの関門時間は6時50分。

関門時間まではあと2時間50分しかなく、距離はあと5km以上の距離が残っている。

 

二十曲峠からここまで6km進むのに、2時間44分もかかってしまっている。

5kmで2時間50分しかないのは、正直かなりやばい。

 

杓子山では絶対に鐘を鳴らしたいと思っていたが、ここは悠長に鐘をならしてる場合じゃない。

ここからも激下りで渋滞が予想されるので、一刻も早くこの山を下らなければ関門時間に間に合わなくなる。

そんな一心で、とんでもない激下をじゃんじゃん下っていった。

ここもゾーンに入り、体幹は安定しつつも転げ落ちるようなスピードでいっきに下っていく、

途中から渋滞にはまったが、下りてきた登山道を見上げると、僕がさっき走って下りてきた道もすでに渋滞が起きていた。

悠長に鐘を鳴らさなくて正解だったようだ。

 

下り渋滞から抜け出し、林道へ。

山を抜けたらエイドがある!と思いきや、ここからも長かった。

 

関門時間を気にしつつも、できるかぎる走って次のエイドを目指す。

「エイドはまだか!」「エイドはまだか!」のリズムで林道を下っていく。

 

気づけばあたりは明るくなり、寒さと眠さはどこかに消えていた。

 

5:29  富士吉田エイド(150km)

予定時間より2時間以上、遅れてエイドに到着。

関門時間までは1時間20分ほど早く到着できた。

 

<タイムスケジュールとこれまでの経過>

エイド名 距離/総距離(km) 関門 目標到着 到着時間
粟倉 /14.5km 16:45
F1 富士宮 23.8/23.8km 20:20 18:13 18:23
F2 麓 27.2/51.0km 4:50(22日) 2:36(22日) 1:18(22日)
F3 本栖湖 10.3/61.3km 8:50 5:00 4:12
F4 精進湖 11.8/73.1km 12:20 8:28 7:45
F5 富士急 23.3/96.4km 14:20 13:04 12:54
F6 忍野 16.0/112.4km 19:50 16:40 17:04
F7 山中湖 12.3/124.7km 22:50 19:40 20:00
F8 二十曲峠 13.5/138.2km 3:20(23日) 0:06(23日) 0:50(23日)
F9 富士吉田 11.8/150.0km 6:50 3:25 5:29
finish 14.7/164.7km 11:30 6:50

現在のエイド

 

このエイドでは吉田うどんが、おもてなし食として用意されている。

吉田うどんにバナナ、コーラ

手持ちのバームクーヘンに羊羹、柿の種にドライフルーツ。

かなり腹が減っていたので、片っ端から食べていく。

ちなみに、吉田うどんは出汁は美味しかったけど、

九州人の僕は、吉田うどんの特徴であるコシのあるうどんが、コシがありすぎてアゴと胃がつかれた。

胃腸が元気な時に食べてればまた違う感想なのかもしれないが、

わがままを言わせてもらえば、この時間帯はもっと柔らかいうどんが食べたい。

 

あれやこれやモタモタしてたら、あっという間に45分も経っていた。

 

6:15 富士吉田エイド 出発

エイドで元気をもらい出発。

残りの距離はあと約15km。

あと15kmで終わる。

ゴールの制限時間は午前11時半。あと4時間15分。

最後の霜山を越えれば、ゴールの富士急ハイランドまでわずか。

霜山の登山口まで、ロードを進んでいくが気合を入れないとすぐに足が止まって歩いてしまう。

ロードはなるべく走りたいと気合を入れるが、すぐに気合がきれる。

走りと歩きを混ぜながら、なんとか登山口へ、

ここからの登りは、気合の全歩き。

約600mほど標高を上げていきます。

 

スタートから約40時間。

このタイミングで600mもの標高を上げるのは、どう考えてもしんどい。

しかし、ゴールが後わずかだと知ってると、不思議と苦しさも軽い。

時間の経過とともに、太陽に光は激しくなり、ここにきて再び滝汗。

関門時間を気にしながら、気合いで登っていきます。

 

8:15 霜山

正直どこに霜山の山頂があったのか分からなかったが、

気づけば山頂を通り過ぎ、下りが始まっていた。

ゴールまであと約7km。

とんでもないトラブルがない限り、

残り7kmを全歩きでも、制限時間に間に合うことがほぼ確定。

 

霜山からの下りはかなり走れるトレイル。

ここぞとばかりに、後ろからものすごい勢いで走ってくるランナーが増えた。

一方の僕は、不思議な気分。

 

「これを下ったら、FUJIが終わってしまう」

ふと、「僕はこのレースを楽しめたのか?」といった疑問が頭をかすめた。

走力の無さから、常に時間に追われ。

完走だけを目指し、寝る間も惜しみ走ってきた。

完走しか頭になかったが、このレースを僕は楽しめたのだろうか?

そんな疑問が頭をかすめ、僕の足はゆっくり止まっていった。

 

時刻は午前9時。

制限時間の午前11時半まであと2時間半。

ゴールまであと、4km。

僕の足は完全に止まってしまった。

 

これまで必死になって戦い抜いた、40時間を思い返す。

これまでに出走した、どのレースより必死だったが、

今までに出走したレースほどに楽しめていたのか?

 

答えは、NO

楽しむ余裕が全くなかった。

逆に言えば、楽しむ余裕がないほど頑張ったから、目の前に完走がある。

 

これまで必死で40時間戦ってきた、自分の頑張りを誉めつつも、

ここからゴールまでの4kmは全力でFUJIを楽しみたい。

そんな気持ちになった。

順位や時間から自分を解放し、ゆっくりのんびりFUJIのコースを楽しんで走ろう。

 

新緑の色鮮やかさ、風の心地よさ、山の静けさ、トレイルの柔らかさ、スタッフの声援、憧れのFUJIに出走してる喜び、まだ走れる身体

 

あげればキリがないが、与えられたすべてのものに感謝し、気持ちよくトレイルを走っていく。

 

少しだけどようやくFUJIの楽しさ面白さを感じれたような気がした。

 

トレイルからロードへ、

山から元気をもらった僕は、残り数kmのロードもじゃんじゃん走れる。

自分でもびっくりするほどの快走。

上から降ってくる、富士急ハイランドの絶叫マシンの悲鳴を聞きながら

ゴールが近いことを感じる。

あと少し。

 

足を引きずりながら気持ちで進むランナーや、空腹に耐えられず何か食べてるランナー、

ゴール数100m手前で着替えてるランナー(お気に入りのウエアでゴールしたいから着替えてるw)、ゴールして帰宅途中ランナー

 

色々なランナーを横目に、ゴールまで一直線に走っていく。

 

ゴール手前からは、沿道にたくさんの人。

見ず知らずの僕にも、たくさんの声援とハイタッチで迎えてくれます。

こんなにたくさんの笑顔と拍手とハイタッチに迎えられるとは、僕の人生初の経験。

辛かった分だけ、喜びが大爆発です。

伸ばしてくれてる手、全てにハイタッチしながら

 

9:33 ゴール(Finish)

ゴール!

ついに完走しました。

全力で大喜び

ようやく辿り着けた100マイルのゴール。

嬉しさでいっぱいです。

全世界の主役になった気分です。

 

ちなみに、ゴールシーンはユーチューブで配信されてました。

 

https://www.youtube.com/live/JbC71YvB7KU?feature=share

 

 

3:21:00ごろゴールに、ヘラヘラやってきて「やったぜぇ〜」って言ってますw

 

ゴールしてからも、写真を撮ってもらうため数分間ゴール周りをうろうろw

写真を撮ってもらって、ささっと退散する予定だったけど、

写真をお願いした人が、めっちゃこだわって撮ってくれて、

退散したいけど、ポーズをリクエストされるみたいな😅

攻防戦をやってましたw

後ろの人に悪いな〜って思ってたわけで、決して空気読めてなかった訳じゃないです(笑)

おかげでいろんないい写真が撮ってもらいました。

 

ゴール後には、完走賞のフィニッシャーズベストを受け取ります。

 

今年はブルー。

ノースフェイスのベストです。

めっちゃ嬉しい。

 

【登山記録・感想】

 

FUJI100mile レース詳細

FUJI100mile 詳細

<順位> 1251位

<行動時間> 42時間33分35秒(休憩含む)

<行動距離> 165.3km

<累積標高差> +8,132m・-8,186m

<消費カロリー> 15,202kcal

 

<タイムスケジュールとこれまでの経過>

エイド名 総距離 関門 到着時間 エイド
F1 富士宮 23.8km 20:20 18:23 15分
F2 麓 51.0km 4:50(22日) 1:18(22日) 33分
F3 本栖湖 61.3km 8:50 4:12 21分
F4 精進湖 73.1km 12:20 7:45 53分
F5 富士急 96.4km 14:20 12:54 66分
F6 忍野 112.4km 19:50 17:04 16分
F7 山中湖 124.7km 22:50 20:00 30分
F8 二十曲峠 138.2km 3:20(23日) 0:50(23日) 26分
F9 富士吉田 150.0km 6:50 5:29 46分
finish 164.7km 11:30 9:33

 

 

 

 

FUJI100mile レースの感想

まずは3度目の挑戦でようやく100マイルレースを完走することができました。

過去2度の100マイルレースの失敗から多くのことを学び、

たくさんの人の応援があったからこそ、今回完走することができたと思っています。

本当にありがとうございました。

 

みなさんの応援と、日々の努力と積み重ねが完走できた一番の理由ですが、

その他も理由もいくつか紹介します。

 

完走できた理由

 

  • これまでの100マイルレースの中では難易度が優しかった
  • 胃腸トラブルを早めに対処できた
  • 次のレース目標があったから

 

これまでの100マイルレースの中では難易度が優しかった

2022年10月に初めて挑戦した100マイルレース OSJ KOUMI100では、

35kmの周回レースだった。

悪天候に見舞われ心が折れて、一番ダサいリタイアの仕方をしてしまった。

そして今年、2023年3月に開催された球磨川リバイバルトレイルは、

レース後半の関門時間にひっかかり関門アウト。

関門アウトしたとはいえ、その時点で累積標高は8,000mを超える難易度の高いレースだった。

 

累積標高や天候、関門時間の長さから、

今回のFUJIは、これまでのレースより難易度が優しかった

僕が今回完走できた理由の1つである。
(レース難易度は優しいとはいえ、FUJIのエントリーや出走は、難易度が高い)

 

 

胃腸トラブルを早めに対処できた

100km以上のレースでは、必ずと言っていいほど苦しめられる胃腸トラブル。

特にゲリ💩

途中、山中湖あたりではゲリの兆候がでてましたが、

  • しっかり固形物を食べること
  • ゲリ止めを早い段階から飲むこと
  • 腹を冷やさないようカイロをはる

この3つをしっかりやることで、気づいた頃にはゲリの心配はなくなってました。

エネルギージェルの頻度を抑え、

羊羹やフィナンシェ、バナナなど固形物でしっかりこまめに補給をすることで、

ハンガーノックになることもなく、安定して進むことができた事が完走へつながったと思う。

ハンガーノックとは、

激しく長時間に渡るスポーツの最中、極度の低血糖状態に陥ること。

車に例えるならば走行中のガス欠であり、肉体がエネルギーを失った状態を意味する。

この時、自らの意志とは関係なく、体は動かなくなる。

 

次のレース目標があったから

僕のレース計画では、今年中に100マイル完走が絶対に達成したい目標だった。

しかも、今年出走予定の100マイルレースは3月の球磨川と4月のFUJIのみだったので、

球磨川が失敗した今、FUJIは絶対に完走をとりに行かなければならなかった。

 

ちなみに、僕の来年の計画は、

4月にサハラマラソン250km、8月にUTMB(フランス)と、すでに決めている。

OFUSEにて遠征費支援をお願いしてます。よろしくお願いします。

来年の目標達成のためにも、今回は絶対落とせないレースだった。

 

FUJI100マイルレースへの感想は、

FUJIの良かったところ

良かったところ
  • 大会規模にびっくり
  • 完走率が高い

大会規模にびっくり

受付ではエキスポが開催されていて、

スタートもゴールも派手だし盛大。

こんなデカい大会に出たのは初めてだが、この盛大さが気持ちをMAXに高めてくれる。

トップ選手じゃなくても、誰もが「自分が祭りの中心にいるような」そんな気持ちにさせてくれる。

「人生の主役は自分なんだ」と当たり前だけど、実感させてくれる素晴しい大会だった。

 

完走率が高い

完走率が高い。

その理由は

  • 時間が長めに設定してくれている
  • コース解説をしてくれている

 

時間が長めに設定してくれている

距離165.3km、累計標高+8,132mで、45時間はこれまで出走したレースの中で

もっとも長い時間設定になる。

長い時間制限もFUJIの1つの特徴でもある。

おかげでなんとか完走できた。

 

コース解説をしてくれている

大会側が事前にYouTubeで大まかな、コース解説動画をあげてくれている。

危険箇所や、渋滞ポイント、設定タイム、トレイルの特徴など

試走にいけないランナーには本当にありがたく、レース計画を立てやすかった。

 

残念だった点

残念だった点
  • 渋滞がすごい
  • ちょこちょこお金がかかる

渋滞がすごい

受付・スタート直後・トイレ・傾斜のキツい登山道・岩場などなど

けっこう待ってる時間が長かった。

レース途中で、「どんだけ行列に並ぶんだよ」とぼやいてしまうほど、並んだ並んだ。

渋滞がなければ、もっと早くゴールできたのに…。

と、みんな絶対思ってる。w

 

ちょこちょこお金がかかる

大会エントリー代や宿泊代などは、どの大会も当たり前だが、

その他に、手荷物預け、駐車場、写真、これまで払ってこなかった料金がちょこちょこかかった。

この規模の大会なら仕方がないのかもしれないが、お金かかるな〜。

写真データが1枚3,000円以上するのには驚いた。

いっぱい欲しい写真があったが…、たっ高い。

これが普通なのか…?

 

 

 

100マイルを完走したらどうなる?

ゴールまで応援しにきてくれた友人に、レース直後に

「100マイル完走して何か変わった?」と聞かれた。

 

僕の答えは、

「何も変わらない」

あんだけ100マイル完走に向けて必死に取り組んできましたが、

終わってみれば、ひとつ目標をクリアしただけ。

楽しいイベントが1つ終わったそんな感じです。

僕も走る前は、完走したら別の景色が見えるのかな?と期待もありましたが、

完走後の、景色は一緒w。

 

ただレース前や、レース中は、

緊張、くるしさ、悔しさ、喜び、気づき、学びなど、さまざまなことを感じ成長しました。

でもレース後は、

1つの目標をクリアして、ようやく次に行けるのか?っといった穏やかな気持ちでした。

 

1つ思うことは、期限のある目標は、達成できる できないに関わらず

「人生を豊かにしてくれる」そうあらためて実感しました。

 

 

 

ちなみに、

レース後の体はどんな感じなのか聞かれます。

気絶するほど寝るのか?とか、足は痛いのか?とか、次の日は歩けるのか?とか、

 

僕の場合、

寝たのは、レースが終わった13時間後の夜の11時半。w

それまで、友達と普通にご飯食べたり、移動したり、ホテルで洗濯したりしてました。w

夜11時半ごろ寝落ちし、目覚めたのは3時間後。

3時間寝ただけで、頭はスッキリして朝食の時間まで4時間くらいホテルにあった漫画を読んでました。

体は汗とホコリと泥まみれで、風呂ではなかなか泡が立たなかったが、

ケガもなく痛い部分も全くない。

普通に歩けるし、走れる。

 

次の日は、

一度登ってみたかった金時山へ登山に出かけました。

そう(笑)あんだけ山に登ったのに、また山に行った。w

 

レース中は何度も限界を感じたけど、あれは脳の錯覚、多分気のせいだった。

ペースは遅いが、僕はまだまだ長い距離が走れるようです(笑)

 

 

 

【まとめ】

今回は2023年4月21日から3日間にかけて開催された「ULTRA-TRAIL Mt.FUJI」

のレースレビュー完結編をお届けしました。

トレランを始めて2年で、大きな目標であった大会を1つ完走する事ができました。

トレランを始めた当初は、とんでもない大会だと思ってましたが

日々の積み重ねで、いつのまにかとんでもない大会を走り抜く力を身につけていました。

 

みなさんも、無謀だけど叶えたい目標や夢があるのなら、失敗を恐れずトライして欲しいと思います。

 

僕も何度も無様で悔しい経験をしましたが、

あきらめなかっので、今回100マイルの完走を成し遂げることができたと思っています。

 

レースや目標のおかげで、僕の人生がちょっと、自分らしい人生になった気がします。

次の目標は、海外トレランレース完走です。

 

 

 

以上!

今回はULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2023に完走した

ボックルヘアのTOMOでした。

 

今回のブログが「面白かった」「参考になった」と思った方は、

Twitter・Facebookでイイね👍シェアしてもらえると嬉しいです。

Twitter・YouTubeもやってるので、

フォローチャンネル登録もお願いします。

≫【ボックルヘア】Twitter・Instagram・YouTubeはこちら

 


≫agodaで宿を予約

 ≫【Trip.com】旅行をもっとお得に!

 

 

SPONSORED LINK




カテゴリー

SPONSORED LINK




新着エントリー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

九州。大分県。職業:美容師 美容師をしてますが、登山・筋トレ・ダイエットが趣味。 最近はクレジットカード・格安SIM・投資・マイルに興味あり。 どれもこれも素人ですが、素人目線で気になる事ややり方をブログを書いてます。