こんにちは!
今日も絶好調の!
ボックルヘアのTOMOです!!
今回はいよいよモンブランアタック編です。
前回の記事はこちら⇩⇩

ここを登りきれば、コル・デュ・ドーム。
モンブラン山頂まではまだまだですが、とりあえずコル・デュ・ドームを目指し少しずつ登っていくが・・・ここが長い。
というか、なかなか足が進まない。
体が重く思うように足は前に出てくれず、時間と体力と気力がどんどん奪われる。
傾斜が急でふくらはぎとハムストリングがパンパン。
時間差で筋肉を使い分け登っていくも、足にはしっかり乳酸が溜まり、なかなか足が進んでくれない。
近くて遠いコル・デュ・ドームを見上げ、僕はここで裏ワザを使うことに。
こんな登りたくても足が思うように動かない状況になったとき、それでも休まず歩くための裏ワザが僕にはある。
その裏ワザとは!!
『とりあえず休まず100歩く!』
僕の裏ワザ!『とりあえず休まず100歩く』のやり方
登山中、苦しく足がなかなか進まなくなったときに僕は『とりあえず休まず100歩く』方法を使います。
- 100歩休まず歩く
- 毎100歩に1回の休憩可
- 1回の休憩は1分以内
歩幅は10㎝でも1㎝でも1㎜でも可。
とりあえず1㎜であろうと一歩足を前に出す。
これを休まず100歩繰り返す。
100歩進んだら休憩OK!
100歩進んで休憩なしでまだまだいけそうなら、そのままカウント続行。
この方法の良い所は4つ。
- 数を数えることに集中できるので、きつい苦しいななどいらん所に意識がいかない。
- 歩幅が小さいので100歩は意外と楽に達成できる。
- 歩くリズムができる。
- ノルマの100歩を達成し、101歩からどんだけ記録を伸ばせるか!記録更新中の自分に気分が乗ってくる。
僕はとんでもなく苦しい時はいつもこの方法で急登を乗り切ります。
今回裏ワザを出すには早いですが、モンブラン山頂に行くためにはどうしても足を進めなければないのでこの方法でコル・デュ・ドームを目指します。
10:00 コル・デュ・ドーム (標高4236m)

ようやくモンブラン山頂が見えた。
コル・デュ・ドーム(Dôme du Goûter)
4236m。ドーム・デュ・グーテとヴェロ小屋の間にあるコル(※コルとは尾根上のピーク。山の一番高くなっている場所。山頂のこと。)
やっとの思いでコル・デュ・ドームまで登ってきました。
コル・デュ・ドームへのラストの登り。100歩戦法も疲労がたまった足には効果がなくなり、僕は100歩はおろか10歩連続で足を出すのがやっとでした。
僕の足は完全に終わりかけています。
登山開始から登りっぱなしの8時間。モンブラン山頂はまだまだ遠い。
この終わりかけの足で無事にキャンプ場に戻れるのかも疑問です。
足が終わりかけている僕は、正直このままモンブランを目指していいのか?自分の残りの体力をしっかり判断しないといけないので、ここでシカ男と一旦分かれます。

そして、苦渋の決断!!
ここコル・デュ・ドームを!
モンブラン初挑戦の僕のピークとする!!

出た!!
アーモンドピーク!!
目の前に立ちはだかるモンブランを見ながら、足を投げ出しがっつり休憩します。

モンブランの眺めは最高。
良くここまで頑張った!と思う自分と、これで本当にいいのか?と思う自分。
投げ出した疲れ切った足はこれ以上は登れないと言ってるが・・・
心が納得していない。
疲れた足は本当に一歩も先に進めないのか?
下山に6時間かかるとみて、今引き返せば16時にキャンプ場到着・・・。
下山時刻としては、100点。お手本のような下山予定時間です。
・・・。
一度はここを今回の登山のピークと決めたが、本当にこのまま帰って良いのか?!
モンブランを目の前に葛藤!
コル・デュ・ドームで休憩&葛藤の40分。
葛藤の末、僕の出した結論は

登山部のみんなが持たせてくれたお守りに恥じぬよう、
本当に納得できるところまで進もう!!
待ってろ!!
モンブラン!!

10:40 コル・デュ・ドーム 再出発
コル・デュ・ドームからモンブランへは、いったん下り再び登り返します。

下りは好調だが、登りになるとやはり足は思うように前に進まない。
何度も立ち止まり諦めかけては、これが最後の5歩だと言い聞かせ自分をだましながら進む。
山頂を踏破し下山してくるチームが僕に『大丈夫か?』と声をかけてくれます。
僕は片言英語で『行けるところまでで引き返すから、大丈夫!』と返事をします。
どこに行っても優しい人ばかり。
山って最高じゃんか!!
11:30 ヴェロ小屋(標高4362m)

ヴェロ小屋(vallot hut)は、モンブラン山頂近くにある避難小屋。
ほんの何百m進むのに1時間もかかってしまった。
キャンプ地までの下山の時間を考えると、ここが僕のタイムリミット。
標高4362m。ヴェロ小屋が僕の
今回の最高到達点です!
モンブラン山頂までの標高差448m。

悔しいですが、ここで撤退です。
時間と体力が限界ってのもありますが、僕がここで撤退を決意した一番の理由は、目の前に見えるモンブランの稜線。
一見なだらかそうではありますが、山頂手前200mほどはフランス側とイタリア側に切れ落ちた足場30㎝の断崖絶壁の稜線。
この恐ろしい稜線を高い所が苦手な僕が、こんなヘロヘロの状態で無事に通過できる自信がない!
このまま時間をかけて稜線まで行けたとしても、確実にどっちかに落ちる自信がある(笑)
これが今回モンブラン山頂を目前にして撤退を決めた一番の理由です。
十分に考え、納得し決断しました。

悔しいですが、ひとり来た道を帰ります。

下山中はモンブラン山頂まで行けなかった悔しさ、モンブランを歩いてる楽しさや、モンブランに挑戦しここまで来れた嬉しさ、いろんな感情が沸いては消えていきます。
僕はそんな次々と出てくる感情と、無心で出す一歩に身を委ねどんどん下山していきます。

必死に登った僕の最高到達点もあっという間に遠くなる。
いつまでもモンブラン山頂を見ていたい気分ですが、下山こそ事故が多くなるデンジャーポイントなので気を引き締め、前を向いて下山していきます。

グーテ小屋⇧
僕の予約は明日・明後日の2泊。の予定だった・・・。
一度は泊まってみたい憧れの山小屋。
あんなに頑張って予約したのに、今回は泊まる事ができません。
下山開始から2時間半。
グーテ小屋に立ち寄り、明日から2泊のキャンセルをお願いします。
もちろん予約時に支払ったデポジットは返金されません。
ちなみにグーテ小屋の内部の写真は一枚もありません。
疲労困憊と英語でのキャンセルにありったけのメンタルを全部つぎ込んだから。
後は雪装備を外し、無心で岩場を下っていきます。
この頃になると、長時間耐えていた頭痛も全くなくなり頭もすっきり。
脳がようやく覚醒してきた。
体も軽くなり、疲労はしてますがしっかり筋肉に力が入ります。
ここにきて高所で筋肉に酸素が足りていなかったのをあらためて感じます。
苦手な岩場を慎重に、時には岩の上でしばらく休憩。周りの山々や昨日泊まったキャンプ場を眺めながら贅沢な時間を過ごします。
時々上を見上げては、シカ男が降りてこないかな?と目を凝らしてみたり。
岩場は少しでも長くモンブランにいたかったのでかなりゆっくり下山してきました。
グーテ小屋⇩⇩

下山時には落石ポイントのグランクロワールの全貌も見ることができた。
恐ろしい事に、今朝暗闇で登山道を見失い、とりあえず力ずくで上へ上へと登っていたところが、実はグランクロワールだった・・・。
3~5分に1度の落石ポイントに僕は10分ほど滞在し、あろうことか落石の巣に向かって登っていたとは・・・。
ゾッとするし、どんだけ運が良いんだ!!
下山ではもちろんグランクロワールはダッシュで駆け抜けました。
16:30 テートルースキャンプ場 到着
長かった14時間半の登山は終了しました。
昨日泊まっていたテントから預けていた荷物を引っ張り出し、今夜はテートルース小屋に宿泊です。
本来の僕の予定なら、今日が登山1日目。
トラムで上がってきてテートルース小屋泊まり明日、グーテ小屋に入る予定でした。
予定はだいぶ変わりグーテ小屋の2泊はキャンセルしましたが、テートルース小屋の予約はそのままなので今日はテートルース小屋へは泊まれます。
今夜は僕はテートルース小屋へ泊り、シカ男はテントに連泊です。
が、そのまま小屋に行ってしまうのもなんだか寂しいので、キャンプ場でグラン・クロワールの岩場にシカ男がいないか探してみる。

岩場には沢山の人が下っています。
コーヒーを飲みながらキャンプ場で岩場を眺める。
これはこれで贅沢。
岩場を眺め時間を過ごしていると、色々な人が話しかけてきてくれます、英語も分からんけど適当に返事をする僕(笑)
とても居心地のいいキャンプ場です。
すると、遠くから
『TOMOさーん!!』と僕の名を呼ぶ声が!!
つづく・・・。
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